新作アルバム「CLOCKWORK.」発売特別企画

前作「Relation」から約9年半ぶりのアルバムとなる「CLOCKWORK.」がどのようにして完成したのか
また、何故9年半も制作にかかったのかバンドCLOCKWORK.の(Vo. G)takumiにじっくり語ってもらいつつアルバムに収録されている8曲への思いを聞いた。

ーまずは9年半ぶりのアルバム「CLOCKWORK.」の完成おめでとうございます。
何故9年半もかかったんですか?

takumi  なんででしょう?(笑) まぁ、コツコツとレコーディングはしてたんですけど、やってるうちにメンバーが変わったり録音機材が新しくなったりして昨日録った音がもう古いねーとか話してたら気が付けば9年半過ぎてたという・・・。

ーメンバーみんなものんびりしてますもんね(笑)

takumi そうそう。とくに締切なんかがあるわけじゃないからより良いもの作ろうとしてたら時間がかかっちゃって。でもそれじゃマズイよ!って(Ba) Jun-Junが一連発起して・・・。
じゃー発表しようとなったんですよ。

ー Jun-Junが(笑)

takumi そう。一番のんびりしてるやつが(笑)

 

ータイトルの「CLOCKWORK.」というのはシンプルなネーミングですけれど、サウンド面など前作と変わったところは?

takumi タイトルに関してはまぁ、ここから仕切り直しというかCLOCKWORK.って以前は
どちらかというとシンセやループを多用して楽曲を作り上げてきたけど、今回は比較的、ざっくりとというかバンドサウンドっていうのを意識してレコーディングしてましたね。

ーでは曲の制作方法も以前と違う感じだったんですか?

takumi 以前は作曲者ぞれぞれがPCでほぼ完成状態のデモテープを作ってそれを演奏しなおすパターンだったんですけど、今回はスタジオでなにもないところから作り上げた曲が多くてメンバー間でアイデアを出し合って「これとこれなら、うーん。こっちかなぁ」なんてしてましたね。
だから9年半もかかった(笑)

ー(笑) バンドサウンドを意識してたわけですね。

takumi そうですね。せっかく楽器を持ってきてるのに、曲の方向性はどうしようかなんて話しただけでスタジオの時間を潰すことも多々あった。でも、バンドってこうだよなーって思ってたんで結構楽しかったですよ。

 

ーでは収録されてる曲、それぞれについて伺おうと思いますけれど。まず1曲目が「Roadmovie」ですね。

takumi この曲は・・・さっきの話とは違っちゃうんですけどまぁ古めの曲なので・・・(笑)
作曲者の(G) Baby がほぼ作り上げてきた曲ですね。サウンドに関してはCLOCKWORK.のメンバーそれぞれが好むジャンルの音というか、一番メンバー間で摺合せしやすい楽曲に仕上がってます。
詩に関してはサウンドがアーバンな雰囲気を出してるのでやっぱ東京タワーだろうと(笑)

ーなぜアーバンな雰囲気で東京タワーなんですか(笑)

takumi これね。僕は大阪人ですからやっぱ都会といえば東京。東京といえば東京タワーだろうと考えたんじゃないかって(笑) メンバーやこっちの友人にそう言われたんですよ。とにかく都会的なイメージで夜がよく似合う曲になりましたね。

ーでは2曲目の「Good time felling」ですが、これも前からある曲ですよね。

takumi そうですね。この曲はこのアルバムのシングルカットのような位置づけで、僕らの最大限のポップソングですね。これ以上のポップさはきっと出ない。ライブでもずっとやってる曲なのでレコーディングはわりとすんなり終わった曲ですね。

ーCLOCKWORK.のポップな部分を追求した感じですか?

takumi そうそう。詩もね時間がかかった記憶もなくてポップなサウンドだったし乗っけるなら日常によくある風景というか、誰もが一度は体験してるであろう事を並べたラブソングなのでサクっとイメージできた感じですね。

ーそれでは3曲目「花が咲く」ですがこちらは?

takumi んーと僕が適当につけたコードにメロディというほんとに簡素な状態のデモテープをバンドに持って行ってそこからあーでもないこうでもないと作り上げた曲ですね。

ーただ、なかなか男にしかわからない詩の内容のような気がしますが・・(笑)

takumi 白濁とかね(笑)。でも誰々にしかわからないとかっていうのが良い!みたいな時期があって10人いたとして2人ぐらいわかってくれりゃーいいやとか、尖ってるわけじゃないけど多くは望まずにそのくらいわかってくれれば満足な時期に作った詩ですね・・・・。
まぁ、あとでそれじゃーやっぱダメかなとか思うんですけどね。(笑)

ー(笑)では、4曲目「凍るような夜空に」ですが?

takumi CLOCKWORK.の割には音数が少ない曲ですね。でもフレーズはしっかりしようと話して作った曲ですね。ただ、スタジオで1曲ずつ作るんですけど、1日ではさすがに仕上がらなくて次の週で前の続きをやろうとするんですけど・・・。忘れてしまってるという(笑)

ー(Key) Ucciの覚えられない問題ですね(笑)

takumi うんうん。じゃー先週の続きやろうかーとなると絶対彼が「コードなんだっけ?」って言うんですよ。
それが顕著だった曲です。鍵盤はじまりの曲なのでそこが一番苦労しましたよ(笑)
詩に関しては、制作時期が冬だったので冬にしか話題に上がらないあの方の詩にしました。

ーさて次の曲「Over the rainbow」はそのUcci作曲ですね。

takumi そうですね。やっぱり自分の持ち込んだ曲なだけあって忘れることはなかったですね(笑)
あとこれはバンドで演奏するとすごい難しいんですよ。とくに(Dr) Sato-cが(笑)ずーっと3連のシャッフルビートですから
あれを4〜5分維持するのはかなり・・・しんどい(笑)

ーこれぞ(Key) Ucci作曲って感じですものね。

takumi そうそう。詩も注文があって前のアルバム「Relation」の中に「Starchild」って曲があって
それもUcci作曲なんだけどそれっぽい歌詞がいいとか言われて。

ーあのロボットの曲ですね(笑)

takumi うん(笑)あの人わがままだから。普通のそれっぽい歌詞が嫌らしくて考えた結果
昔僕の実家で飼ってた犬が脱走癖があったのでそれを歌にしようと。きっと脱走には意味があったんじゃないかな
と勝手に妄想しつつ・・・ですね。

ーいろいろ苦労があるんですね(笑)では次は6曲目の「Happy birthday to…」ですが。

takumi これはあまりにもCLOCKWORK.ぽくないって理由でお蔵入りになりそうだったところを(Sax) Ouchが救ってくれた曲ですね。

ーあのOuchさんが?

takumi なんか意外と推してくれたんですよ。でもあれはきっと自分のソロが結構いい感じで吹けたから
なんじゃないかなと思ってるんですけどね(笑)

ーそれでは7曲目の「決別」ですがこれもスタジオで作り始めた?

takumi そうですね。なんかうっすらとは(G) Babyが思い描いてたものがあってそれをよってたかってごちゃごちゃしてみた曲ですね。Aメロなんかは正直詩に丸投げでしたから(笑)

ー詩に丸投げって?(笑)

takumi なんかね、詩先というか言葉をダーっと並べてじゃーこれをどう歌うか?なんてやって。
ラップじゃないんだけどそれ風で(笑)一番苦手なんですけど敢えて挑戦してみた感じですね。
歌入れは自分の家で一人でやったんですけど、オレなにやってんだろ・・・とか思いながら録音してましたよ。

ー演奏に関してはギミックが結構多いなぁという印象だったんですけれどバンドで作ったならではの楽曲になったんじゃないですか?

takumi スタジオで話し合って作っていくと色々とアイデアが出てきてとりあえずやってみようで進めていくので気が付けばゴチャゴチャした曲になるんですよ。そこからちょっとずつ削ぎ落としていって、できるだけシンプルにとは思うんだけどどうしても色々やりたくなっちゃう人たちなので(笑)仕方ない。

ーではアルバム最後の曲「雨にさらわれて」ですがこれは?

takumi この曲のテーマは「余韻」だと思っていて、アウトロに持っていくまでを重視しててよくありがちな曲の1番があって2番があってDメロがあって大サビがきてってのを全く考えないで作っていった曲ですね。
僕らはいわゆるJ-POPに属してるわけでそのほとんどは「サビ」が一番聞くべきところなんだろうけどこの曲で一番聞いてほしいのはアウトロで、そこににたどりつくプロセスですね。

ーアルバムの最後を飾るにふさわしい曲だと思ったんですが。

(Vo. G)takumi でも作ってる当初はさっきの話じゃないですけどプロセスに目がくらんでもうちょっと
ゴチャゴチャしてたんですけどね。ドラマチックになりすぎちゃってそこで疲れ果てちゃうみたいな(笑)

ー(笑) では、今後のCLOCKWORK.としてどのような活動を?

takumi うーん。細かくは決まってない(笑)
まぁ、今までどおりコツコツ曲作ってはアルバムにして発表するってのがメインになると思うんですけど
ライブもやりたいんですけどいかんせん最近やってないもんだから大丈夫かな・・・。
ただ、9年半眠り続けることはもうないと思いますよ(笑)

ーそれは勘弁していただきたい(笑)

takumi ・・・がんばります(笑)